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再建築不可物件の売却|FPに相談して巡りあった、思いもよらない活用法

個人的問題・解決
再建築不可物件の売却|FPに相談して巡りあった、思いもよらない活用法

「再建築不可物件ってなに?」
「再建築不可物件の活用方法とは…」
相談者は都内で暮らしているAさん。就職を機にご実家を離れ、マンションで一人暮らしをされています。今回のご相談は、このご実家について。先日他界されたご両親とともに幼少期を過ごしたご実家は、再建築不可物件でした。暮らそうにもご自身はすでにマンションを購入されており、賃貸物件として運用しようにもなかなか借り手がつきません。このさきも固定資産税を払いつづけるしか方法はないのでしょうか…。

FPがつないだ縁で生まれかわったご実家の事例をご紹介します。

実家が再建築不可物件

「再建築不可物件なので、住むにも貸すにも不自由で…」
Aさんのご実家は再建築不可物件でした。再建築不可物件とは既存物件を取り壊した場合、その土地に新しく建物を建てるのを禁じられた物件のこと。理由の多くは接道義務を満たしていないことがあげられます。基準値以上の道路に接していないと物件を建ててはいけないと定めた接道義務。昭和25年の建築基準法制定時に盛りこまれたことから、それ以前に建てられた物件は接道義務を満たさずに現存し、再建築不可物件として以降の建築が禁止されています。

再建築不可物件は以下のようなリスクを抱えています。

  • 建て替えができない
  • 増改築などの建築申請が必要な大規模リフォームはできない
  • 地質調査ができない物件がある
  • 不動産価値の低さから住宅ローンが組めない
  • 倒壊や火災で消失すると再建築は不可能

上記のようなリスクから、再建築不可物件は賃貸市場で不利な現状があります。更地にして駐車場や資材置き場にする方法もありますが、Aさんのご実家と道路を結ぶ通路は車幅がぎりぎり。近所の方も自転車や鉢植えを出しているというのでトラブルの原因になりかねません。また更地にすれば新しく建物を建てられないので、貸したり売ったりするのがさらに難しくなるでしょう。固定資産税も高くなるため、更地にするという選択は慎重に考える必要があります。

不動産担当者が紹介した思いもよらない買い手

「ご紹介したい人がいます」
再建築不可物件の活用法に悩むAさん。このままでは買い手・貸し手もつかず、固定資産税を払いつづけることになってしまいます。そこでご紹介したのが、再建築不可物件の利活用に詳しい不動産担当者です。

「幼少期を過ごした実家だからこそ、誰かがまた住んでくれたら嬉しい」
長年、再建築不可物件に関わる彼女がAさんにヒアリングすると、Aさんは胸の内を明かしました。たしかに再建築不可物件には建物を取り壊す選択肢があります。しかしAさんは建物を生かして残したいというお気持ちを抱えていらっしゃいました。そこで不動産担当者がご提案したのは、シェアハウスや居宅として売却する方法です。

さまざまなリスクを抱える再建築不可物件ですが固定資産税や都市計画税が安く、建物も古いため販売相場が低い点は、買い手にとってメリットです。実際、Aさんのご実家は小路をぬけたさきの雰囲気ある日本家屋。居宅として買い手が好みにあわせてリフォームしたり、シェアハウスや民泊、店舗として活用したりと活用法はアイディア次第です。幅広いターゲットに的確にアピールすれば、デメリットを理解した買い手が現れるでしょう。不動産担当者の言葉に、Aさんの瞳にも光が戻りました。

暮らしとお金に関わる課題を、最大限のサポートを

「シェアハウスとしてリノベーションしたいと思っています」
不動産担当者を介して見つかった、再建築不可物件の新たな活用法。昔ながらの門構えと課税評価額の低さに目をつけたオーナーが、シェアハウスとしてリフォームしたいと申し出ました。すでに外国の方が2人ほど興味を示してくれているとか。Aさんとご両親が過ごされたご実家が、外国の方も含めた複数人を迎え入れる共同住宅に生まれ変わります。一瞬、驚いた表情をされたAさんもほっと笑顔をこぼされて、不動産担当者も安心した様子です。より詳しい専門家に相談した結果、Aさんの最も望むかたちで解決したことで、私もFPとして嬉しくなりました。

FPは相談者の夢や目標を達成するために、ライフスタイルや価値観、経済環境を踏まえながら相談に応じる専門家です。もちろんFPとして最大限のアドバイスをさせていただきますが、ときにはより詳しい専門家をご紹介することも。相談者が抱える課題を解決するために、できるかぎりのサポートをするのが私たちの仕事です。暮らしとお金に関わる課題はFPにご相談ください。